はじめに

「披露山庭園住宅地(ひろやまていえんじゅうたくち)」は、神奈川県の南東部、三浦半島相模湾側、逗子市に位置し、相模湾を挟んで西に富士山と江の島、南に大島の眺望を備えた、風光明媚で緑豊かな環境に包まれた住宅地です。

1968年(昭和43年)、㈱TBS興産によって逗子市小坪の標高約80mの小坪山で造成が始められ、1971年(昭和46年)から分譲が開始されました。

当地区は、第1種と第4種風致地区内における開発事業であり、東の高台には、逗子から江の島、相模湾の海岸線、富士山などを一望できる景勝地である披露山公園があり、開発にあたっては神奈川県より示された厳しい条件を満たすことにより、国内では類を見ない邸宅地として計画されることになりました。

第1期分譲の披露山庭園住宅南側は、1区画1,000平米、建ぺい率20%、高さ8mの建築協定付きで販売され、地区内は共同アンテナ電線類地中化、共同浄化槽を持ち、造成地の表面は芝生で覆われ、一部道路には植栽帯があり、さらに日本庭園も整備されています。

当時から披露山庭園住宅は、日本一と評価され、全国の住宅地の手本とされてきました。

披露山庭園住宅地

 

披露山の歴史

「披露山庭園住宅地」の名称のもとになる「披露山」の由来は、源頼朝がこの山で御家人たちを集めて、手柄者や、全国から献上された貢ぎ物を披露したことからこの山の名がついたとの一説があります。鎌倉時代には幕府の要人が好んで披露山周辺を別荘地として用いたようです。

また、住宅地に接して、古事記、日本書紀に登場する日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東北地方の平定に向かい部下を率いて歩いたと言われる古東海道跡が今も残されています。

このような歴史的風土を引き継ぎ、自然環境を大切にして披露山庭園住宅地の環境を維持しています。

住民自治による住宅地の運営

当住宅地は「披露山庭園住宅団地組合法人」として法律に基づく規約があり、組合員(建物所有者)により毎年行われる総会で方針を決めて運営されています。

法人業務は規約により「組合員の共同の利益を増進し、良好な住宅環境の保持及び快適な共同生活の確保に必要な事項」としていますが、次の項目を定めています。

  • 環境の整備に関する事項
  • 防犯及び防火管理に関する事項
  • 組合員の親睦に関する事項
  • 渉外及び広報に関する事項
  • 建築協定運営委員会の運営に関する事項
  • 法人の所有する土地・建物の保存、変更、処分に関する事項
  • 管理費の徴収、保管及び運用に関する事項

住民による環境の維持管理

住宅地内には電線電柱がありません。上下水道ガスはもとより電気通信のインフラ設備は全て地下埋設され、開発当初から景観を重視したまちづくりを行っています。

住宅地内の高度な環境の形成と維持をはかるために、住宅地内で建築を行う際には「逗子披露山庭園住宅地区建築協定」に基づく建築協定運営委員会の承認が必要となります。

計画段階での建築コンサルタントとの協議、住民説明会を経て建築協定運営委員会の審査となります。建物だけではなく周辺の街並みに配慮した植栽と外構計画も重視されます。

また、住宅地内の緑地、空地や道路内グリーンベルトは、年間を通じて草刈り・剪定・清掃等を造園業者に委託して行っています。

高度なセキュリティ

塀の無いオープンな住宅地で死角をつくらない環境や出入口を限定している住宅地の道路網は、防犯上の優れた構造となっていますが、さらに警備員による巡回パトロールや防犯カメラ設置、警備会社、警察との緊密な連携をもって、住宅地内の安全監視に努めています。

住民コミュニティ

住宅地内での散歩は格別です。ペットと一緒に決まった時間に決まったコースで、ご夫婦で、お一人でとさまざまですが、皆さんこの自然環境をとても満喫しています。鳥のさえずりや波の音は静けさを一層高めています。

組合員が一同に会する親睦会や、逗子、鎌倉の花火は、住宅地の夏の風物詩になって、住民一同の楽しみとなっています。

写真で見る披露山